最近の注目情報詳細2015年8月)

 

1.道州制法案、当面は提出見送り=国民の理解得られず−自民

2015年7月30日 時事通信)

 自民党道州制推進本部(本部長・佐田玄一郎元行政改革担当相)は30日の総会で、「道州制基本法案」の国会提出を当面見送る方針を了承した。国民や自治体などの理解が十分進んでいないと判断した。 

 基本法案は、外交、防衛などを除く国の事務を道州に移譲し、道州の下に置く基礎自治体に、現在の都道府県と市町村の権限を持たせる内容。しかし、全国町村会などが「市町村の強制合併につながる」として強硬に反対していた。

 同本部は今後、北海道で先行実施している道州制特区の対象拡大なども、基本法案と併せて検討していく方針だ。

 

 

2.道州制特区の拡大検討 自民

2015年7月30日 日本経済新聞)

 自民党の道州制推進本部は30日の総会で、北海道に適用している道州制特区推進法の改正を検討することを確認した。北海道のほか、3つ以上の都府県が合併した場合などとしている要件の緩和を探る。道州制推進基本法案は自治体の理解を得られていないとして提出を見送る。

 

 

3.橋下氏「関西維新の会つくりたい」 地方議員の連携強化

2015年8月9日 朝日新聞)

 維新の党の橋下徹最高顧問(大阪市長)は8日、近畿の党所属地方議員らを集めた大阪市内での勉強会で「政治グループとして『関西維新の会』をつくり、統治機構改革と関西州の2本柱を立てて活動したい」と表明した。近畿の維新勢力を組織化し、党内での発言力を高める狙いがある。

 

 勉強会に参加したのは、近畿2府4県の地方議員ら約180人。近畿の党総支部所属の地方議員は203人(4日現在)で、その多くが顔をそろえた。

 

 講師役の橋下氏は道州制の実現を目指す考えを述べ、自身が率いる地域政党「大阪維新の会」の政策を8項目にまとめた「ローカル維新八策」を示した。議員定数削減や政務活動費の領収書のネット公開といった「議会改革」、区長・校長公募や事業の民営化を含む「行政改革」など大阪での取り組みを列挙。関西全体に広げ、地方議員の連携強化と勢力拡大を図る。

 

 出席者によると、橋下氏は「維新の党からきれいさっぱり分かれるのではない」と、関西維新の会の政党化は否定しつつ、「国政政党がぶれた時、一定の圧力をかけられるぐらいの政治集団になっていこう」と呼びかけたという。国会議員主導の傾向が強まる党運営を牽制(けんせい)する狙いを鮮明にした形だ。

 

 

4.橋下市長が火を付けた「道州制」議論 静岡、新潟…各地で動き

2015年8月16日 夕刊フジ・大前研一のニュース時評)

 自民党の道州制推進本部は先月30日、北海道に適用している「道州制特区推進法」を改正して、他地域への拡大や要件の緩和を検討する考えを示した。これにより、道州制の必要性を訴えるという。

 

 ただ、外交、防衛などを除く国の事務を道州に移譲する「道州制基本法案」は、自治体の理解を得られていないとして国会提出は見送ることになった。

 

 道州制については、各地でいろいろな動きが出ている。まず関西では、大阪都構想が住民投票によって否決された後、今度は「関西州」のようなものをつくるという方向になっている。

 

 維新の党の最高顧問で、傘下の地域政党「大阪維新の会」代表の橋下徹大阪市長は7月4日、「いつでも関西で国政政党をつくれるようにしたい」と「関西維新の会」構想をぶち上げた。

 

 橋下さんは2008年の大阪府知事就任直後から「関西州」構想を提唱していた。9月にも近畿2府4県の地方議員らで新グループをつくり、維新の党の大阪府選出議員と連携すると予想されている。

 

 さらに、もうひとつ、静岡を分割したいという案も出てきている。道州制は都道府県を前提にして区割りをしているが、世界的な企業を多数出して産業的には静岡市を圧倒している浜松市が、「遠州浜松」として静岡県から独立し、中部の愛知とくっつくという構想だ。インフラが遅れ、新幹線「のぞみ」も止まらないということも、浜松市は気に入らないのだろう。

 

 浜松市は、同じ県内にある静岡市や伊豆市よりも愛知県や長野県の一部と一体化する構想を持っていた。静岡県側も、浜松市については特別自治市として県から独立してはどうかと考えているようだ。もともと浜松と静岡は、遠江と駿河という別の国だった。別の州になるほうがしっくりくるかもしれない。

 

 一方、静岡県と静岡市が一体化して、二重行政を解消しようと動きもある。静岡市を県の直轄都市として県の行政に組み込むという考えだ。こういう議論が、静岡からかなり積極的に出てきている。

 

 新潟県の泉田裕彦知事も以前から、新潟市と新潟県が一体になって二重行政を排し、行政の効率化を図る「新潟州」構想を掲げている。ただ、北海道に次ぐ広さの新潟県を1つにするとなると、反対も非常に多いだろうと思う。

 

 九州もすでに「州」という名前になっているのだから、道州制をやってみたらどうだという話が出てきている。大阪都構想のおかげで、いろいろな案が飛び出してきたわけだ。橋下さんがまいた種は無駄にはなっていない、と思う。