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1.維新とみんな、道州制で合同調査会 野党再編の軸狙う?

2014年7月30日 産経新聞)

日本維新の会の分党に伴う橋下徹大阪市長のグループとみんなの党は30日、「道州制合同調査会」を立ち上げた。議員連盟ではなく、複数の党が正式な組織として合同調査会を設置するのは異例。定期的に会合を開き、年末までに道州制実現に向けた提言を打ち出す方針で、野党再編の基軸とする狙いもありそうだ。

 

発足式では、顧問に就任した橋下グループの松野頼久国会議員団代表が「道州制はみんな、維新にとって原点の政策だ」と述べ、連携の重要性を強調した。同じく顧問のみんなの浅尾慶一郎代表も「全国一律の金太郎飴ではない仕組みを作っていかなければいけない」と応じた。調査会の会長には、維新の松浪健太、みんなの松沢成文両氏が就任した。

 

橋下グループは9月に結いの党と合流する予定。来月1日に発足する次世代の党も含め、道州制に前向きな野党勢力は約100人に上る。橋下グループの片山虎之助政調会長は発足式で「これがうまくいけば野党再編はもっとスムーズにいく」と期待感を示した。

 

ただ、みんなの幹部は「調査会の活動を政局に利用するのは反対だ」と語っており、思惑の違いが早くも表れている。

 

 

2.地方議員はすべて無給のボランティアにすべきと大前氏が提案

2014年7月26日 NEWSポストセブン)

 青森県平川市の市議会が定数20のうち15人もの議員が逮捕されたり、兵庫県では「号泣議員」が登場するなど、地方議員のモラルの低さ全国で話題になっている。他にも各所でのセクハラ発言など、地方議員の不祥事が止まらない。日本の地方議員は海外に比べ報酬が多すぎると指摘する大前研一氏が、日本の地方自治に必要な議会や議員のあり方について提言する。

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  地方議員の不祥事が続発している。政務活動費の不適切な使途に関する記者会見で号泣して辞職した兵庫県議、東京都議会で女性都議にセクハラ野次を飛ばして謝罪した男性都議、政務活動費73万円で知人女性に海外視察を委託した愛知県議、万引で現行犯逮捕された上に覚醒剤使用容疑で再逮捕された山口市議……それぞれの事例はレベルが低すぎて言及する気にもならないが、なぜこんなにお粗末な地方議員がはびこっているのか?

 

そもそも地方自治体の議会というものが“無用の長物”だからである。

 

日本国憲法は、第8章の第92条から第95条で「地方自治」について定めている。ただし、第92条には「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める」と書いてある。つまり、都道府県や市町村は「地方公共団体」(地方における行政サービスを行なうことを国から認められた団体)であって、「地方自治体」(自治の権能を持つ団体)ではないのである。

 

 ところが、機能も権限も定かではない日本の地方議員は高給だ。都道府県議や大都市の市議の場合、報酬と政務活動費の合計が年間2000万円前後に達しているところも少なくない。意味がない上、議員活動の実態がパートタイム型(議会の会期中以外は何をしていてもよく、他の仕事を持っている議員も多い)であるにもかかわらず、だ。

 

 一方、海外の地方議員は無給、もしくは少額の報酬や手当が当たり前である。

 

 たとえば、連邦よりも地方が強く、地方のことはすべて地方が自分で決められるスイスの場合、日本の市町村にあたる2889のコミューンでは、住民の代表が無給で議員を務め、行政的な意思決定をしている。彼らは農民や職人や会社員や商店主などで昼間は普通に仕事をしている人たちだから、議会は平日の夜に開かれる。そこで決まったことに住民は必ず従わなければならない。文句は言えない。それが「コミューンの掟」なのである。

 

 アメリカの場合、地方議員の年間報酬は50万円くらいで、議会はスイスと同じく平日の夜に開催される。イギリス、フランス、スウェーデンなども地方議員は原則無給である。欧米先進国の地方議会は、いわばマンションの管理組合の理事会のようなものであり、地方議員は地域社会のため、住民のためにボランティアで働くのが常識なのである。

 

 日本は、アメリカの地方自治を形だけ真似したが、統治機構の実態は江戸時代の中央集権のままである。地方自治体に自治権がない以上、行政サービスを行なう役所さえあれば事足りるはずであり、議会は必要ないのである。

 

 こんな地方議会は人間の臓器でいえば盲腸のようなものであり、重ねて言うが、不要な機能である。ただし私自身は、かねてから道州制を導入してドイツ型やスイス型の連邦制に移行し、地方が三権と徴税権を持った地方自治を実現しなければ衰退する日本の復活はない、と主張してきている。だが、今後もこのまま「なんちゃって地方自治」が維持されるなら、せめて地方議員はすべて無給のボランティアにすべきだと思う。