最近の注目情報詳細20089月)

 

1.<知事アンケート>道州制「賛成」6割 

2008816日 毎日新聞)

 毎日新聞の知事アンケートでは、現在の都道府県に代えてより広域な自治体を作る「道州制」には約6割の28人が賛成した。明確な反対は福井県の西川一誠、兵庫県の井戸敏三、奈良県の荒井正吾の3知事だけだった。道州制に賛成した28人のうち「賛成であり、議論を進めるべきだ」と答えた「道州制推進派」は19人。残りの9人は「どちらかというと賛成だが、地方分権改革を先行すべきだ」と答え、「どちらかというと慎重で、地方分権改革を優先すべきだ」(11人)と合わせた「地方分権優先派」が20人に上った。

 

 福田康夫首相の地方分権改革への取り組み姿勢に関しては「評価する」が過半数の26人で、「評価しない」は5人。16人は回答を留保した。ただし、「評価する」と答えた知事のうち24人は「地方の負担増に対する配慮がより必要」と条件を付け、負担増に警戒感が強いことも浮かび上がった。

 

 自治体の財源を充実させるために消費税を増税することについては21人が「賛成」と答えたが、「いちがいに言えない」も21人おり、判断が分かれた。「反対」はゼロで、5人は回答を留保した。

 

 小泉政権が進めた国と地方自治体の税財政を見直す「三位一体の改革」については「評価できない」が38人と8割を占めた。「評価できる」は1人で、8人が回答を留保した。

 

 二酸化炭素(CO2)排出削減などを目的としたコンビニエンスストアの深夜営業規制に関しては「全国展開のコンビニの規制は政府がやるべきだ」(東国原英夫宮崎県知事)など2人が「全国一律に規制」を支持。秋田県の寺田典城知事、大阪府の橋下徹知事ら9人が「自治体の判断で規制」、福岡県の麻生渡知事ら7人が「規制反対」と回答した。29人は回答を留保した。

 

 

2.国に対し積極発言」宮城県の道州制推進本部始動 

2008826日 河北新報)

 村井嘉浩知事は25日の定例記者会見で、同日始動した宮城県の地方分権・道州制推進本部の意義について「国家挙げて議論が進んでおり、宮城が何もしなければ取り残されてしまう。庁内で意思統一を図る。国に対し、ためらうことなく発言していく」と語った。

 

 知事が描く道州制の姿を「米国のような形」と表現。「国の権限は限定される。金太郎あめのように、北海道から沖縄までサービスに変化がない形から、州単位で非常に個性のある地域に変わる」と強調した。

 

 道州の財源にも触れ「国がお金を一度吸い上げて地方に分配する制度は変えたい。道州間で調整して均衡を図るようにするべきだ」と持論を展開した。

 全国知事会では道州制導入に各知事の意見が割れている。村井知事は「宮城だけしゃかりきになっても、ひなはうまくかえらない。協調性を持って臨む」と述べた。

 

 

3.経済広報センターが道州制に関する意識調査

 2008828日 日本経団連タイムスNo.2918

道州制の議論を進めること、「賛成」39%、「反対」12%

/雇用や医療関連テーマに関心が高く効果を期待

 

経済広報センター(御手洗冨士夫会長)はこのほど、「道州制に関する意識」調査結果を発表した。それによると、(1)道州制の議論を進めることに「賛成」が39%、「反対」が12%、「どちらともいえない/分からない」が48%(2)道州制の導入で特に期待される効果としては「独自の産業振興策が展開され、雇用が創出される」が64%、「地域医療・介護の体制充実が図られる」が61%で、雇用や医療関連テーマへの関心が高い(3)道州制導入に向けて当面必要となる改革としては「地方分権改革の実現(国から地方への大幅な権限の移譲)」が71%、「地方公共団体の行財政能力の強化」が50%――という結果となった。同調査から道州制の考え方や役割、効果などについて具体的に例示していくことで、生活者の道州制へのイメージがより明確になることがわかった。

 

同調査はインターネットで回答可能な社会広聴会員を対象に5月に実施、1999人から回答を得た(有効回答率65.5%)。概要は次のとおり。

 

道州制の議論を進めること

道州制の議論を進めることについて、「賛成」が39%で、「反対」の12%を大きく上回っている。一方で、「どちらともいえない」(34%)、「分からない」(14%)の合計が48%とほぼ半数に達している。

 

男性は「賛成」が60%、「反対」が9%、女性は「賛成」が23%、「反対」が15%で、「どちらともいえない」「分からない」の合計が男性31%、女性が62%であることを加味すると、男性の方が道州制の議論について関心が高く、肯定的である。

 

「賛成」は世代が上がるにつれて高くなっており、「反対」は世代が上がるにつれて小幅ではあるが低下している。また、「どちらともいえない」「分からない」の合計は、若年層ほど高くなる傾向がある。

 

 

道州制の考え方「評価できる」44%

道州制の考え方

道州制の考え方については、「評価できる」が44%で、「評価できない」の17%を27ポイント上回っている。「どちらともいえない」は39%で、前項「道州制の議論を進めること」より9ポイント低下した。これは考え方を示したことで、道州制へのイメージがより明確になり、判断しやすくなったためと思われる。

 

道州制の導入で期待される効果

道州制の導入で期待される効果について、「非常に期待できる」(8%)と「やや期待できる」(36%)を合わせると44%となり、「あまり期待できない」(29%)、「全く期待できない」(4%)を合わせた33%を11ポイント上回っている。

 

男性は、「期待できる(非常に/やや)」が58%となり、「期待できない(あまり/全く)」の24%を大きく上回っている。女性は、「期待できる(非常に/やや)」が33%となり、「期待できない(あまり/全く)」の40%を下回っている。

 

道州制の導入で特に期待される効果として、「独自の産業振興策が展開され、雇用が創出される」が64%、次に「地域医療・介護の体制充実が図られる」が61%となっており、雇用や医療関連テーマへの関心の高さを反映している。

 

道州制のもとでの国の役割

道州制のもとでの国の役割については、「適当である」(15%)と「おおむね適当である」(64%)を合わせると79%、「適当でない項目がある」が8%となっている。

 

道州制のもとでの道州、基礎自治体の役割

道州制のもとでの道州、基礎自治体の役割については、「適当である」(11%)と「おおむね適当である」(64%)を合わせて75%、「適当でない項目がある」が12%となっており、前項「道州制のもとでの国の役割」と同じ傾向が確認できる。

 

道州制導入に向けて当面必要となる改革

道州制導入に向けて当面必要となる改革として、「地方分権改革の実現(国から地方への大幅な権限の移譲)」が71%と最も高く、「地方公共団体の行財政能力の強化」が50%と続いている。

 

同調査の詳細は、経済広報センター国内広報部(電話03‐3201‐1412)まで。