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道州制で日はまた昇るか -地方分権から市民主権へ-

著者/訳者名: 道州制.com/編著 一新塾/監修
出版社名: 現代人文社
発行年月 2007年03月
価格:1,680円(税込)

道州制は数ある政治改革のひとつ。でも実は、私たちにとって、最も重大な改革。道州制がうまくいけば、住みたい社会、生きたい生き方、元気な日本が実現する。でも道州制がうまくいかなければ…?普通の市民である私たちから、普通の市民であるあなたへ、これだけは伝えたい。日本を10前後の「道州」に再編する制度が国会や地方自治体で議論されているけれど、私たちの生活をよくするという視点に欠けていないか?市民の視点から道州制を提案。

第1章 日本の未来を導く答えはどこに?
第2章 今、国も地域も大変だ
第3章 「道州制」は救世主か?
第4章 こんな「道州制」がほしい
第5章 市民の道州制のために
第6章 2020年、「道州制」後の日本

【総論】

道州制に関心のある人に対して、道州制のメリットを印象づける。有意義な著書である。ただ、157頁の図書をより多くの人に読ませるためには、PRに更に一段の工夫が必要と思われる。

【特に優れている点】
  • 財政問題や素人に分かりにくい特別会計に踏み込んで説明している点は評価できる。

  • 交付金や補助金の課題を的確に指摘している。

  • 「みんなで問題に取り組んでいく、地域の実例」は具体的で説得力がある。
  • 「道州間の地域格差をどうするか」について「地域間格差は本当に問題か?」「格差」から「多様性」へ、多様性を尊重する一方で、セーフティーネットを、の説明は説得力がある。

  • 「人々の暮らしはこう変った」は全員参加の基礎自治体の格好のPRをなる創作である。


【更に検討を要すると思われる点】
  • 基礎自治体が自主財源で自立すべきと書かれているが、それを実現するには、現在より更に市町村の合併を進めて人口規模の拡大が必要と思われるが、それらの点についての記述が少ないように思われる。又基礎自治体の中にコミュニティの復活が必要と思われる。

  • 地方制度調査会や自民党の道州制が中央集権的という記述には違和感がある。又民主党は地方分権的としているが、小沢党首は道州制を否定し、300基礎自治体と国の2層制を主張しているのではないか?

  • 道州制の定義として、地方分権型(基礎自治体の広域連合組織として道州を儲ける)か連邦制(道州を連邦単位として基礎自治体は下部組織をする)かを明確にする必要があると思われる。法律の制定といっても、条例の制定で十分か不十分かやや不鮮明に思われる。

  • 地域の活性化を方策として、観光業を含む在来産業のみ取り上げられているが、今後はITを中心とする新しい産業の創出が国際競争上重要になると思われ。それに必要な人材の育成が死命を制することになるのではないだろうか?

  • 地方分権を進めるためには、中央政府の縮小・簡素化が必要と思われるが。それらの具体像について触れられていない。





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