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1.吉村氏「道州制」「永田町文化変える」…代表選出馬、知事と両立不安も
(2024年11月13日 読売新聞)
日本維新の会の代表選(17日告示、12月1日投開票)に出馬を表明した吉村洋文共同代表(大阪府知事)は、統治機構改革などの原点回帰を打ち出し、党の立て直しに強い意欲を示した。「本命」の参戦に党内からは歓迎の声が出ているが、来年には大阪・関西万博も控え、知事との両立が課題となる。
「衆院選の結果に責任を負う立場で、出馬は本当に悩んだ」。12日午後、党本部で記者会見した吉村氏はそう切り出した。
吉村氏は、松井一郎前代表の後任を決める2年前の代表選でも待望論が出たが、万博の準備などを理由に出馬を見送っていた。
しかし、今回は自ら立て直しに動かざるを得ない状況に陥っていた。維新は前兵庫県知事のパワハラ疑惑を巡る対応などで批判を浴び、衆院選では、同じ野党の立憲民主党や国民民主党が躍進する中、公示前から6議席減の38議席にとどまった。
■「根本の価値観」強調
吉村氏は記者会見で、「根本にある価値観をもう一度確認する必要がある」と強調し、「次世代のための政党」「道州制を実現する政党」「永田町文化を変える政党」の三つを掲げた。
道州制は、維新が「一丁目一番地」に掲げる統治機構改革だ。吉村氏は「大阪都構想の先に道州制がある」と述べ、結党の原点になった都構想の3度目の挑戦にも含みを持たせた。
「永田町文化を変える政党」では、「『飲み食い政治』は壊していく」と強調。他党の議員らとの会食は1人5000円を原則とし、超える場合は党で参加者や目的をチェックする考えも示した。党創設者の橋下徹氏が、馬場代表らをSNSなどで「飲み食い政治」「古い政治」などと批判しているのを踏まえた対応だ。
■二足のわらじに困惑
一方、万博の開幕まで半年を切る中、機運醸成や会場周辺の混雑対策など課題は山積しており、吉村氏が国政政党の代表に選出されれば、知事との「二足のわらじ」になる。
この点を問われると、「やるしかない。2人分働けばいい」と説明。国会議員の共同代表を置いて役割分担する考えを示す一方、「党首会談はリモートでやればいい」と持論を述べた。
ある維新府議は「吉村氏は人気や発言力もあり、少数与党に切り込める」と期待。一方、衆院議員の一人は「国政政党の代表が東京に姿を見せなければ、国会で存在感を出せないのでは」と不安を口にした。大阪府幹部は「万博もあるのに、政策を説明する時間が削られる」と困惑していた。