最近の注目情報(2021年12〜2022年1月)
1.【大都市考 制度を問う】<4>道州制
(2021年12月10日 読売新聞・関西)
■町村会が反発 しぼむ機運
自民、公明両党が11月1日、衆院選の勝利を受けて改めて交わした連立合意の文書に、「道州制」の文字はなかった。今の自公体制がスタートした2012年12月の合意文ではあったものが、なぜ消えたのか。
民主党が12年衆院選で下野し、自民党が政権に復帰すると、道州制議論は再び活発化し、13年には移行手続きを定めた「道州制推進基本法案」の原案がまとまった。待ったをかけたのが、全国町村会だった。「平成の大合併」を経験した町村側は、小規模な市町村では都道府県の権限は引き受けられないとみて、「再び合併を強いられ、地域特性が失われる」と危機感を強め、「州都への集中を招き、地域間格差が広がる」と主張した。
法案は国会提出が見送られたまま塩漬けとなり、自公の連立合意では14年から「道州制」が盛り込まれなくなった。党総裁の直属機関だった道州制推進本部は18年に廃止。これを主導したのが、当時政調会長だった岸田首相だ。
2.「天神ビッグバン」も堅調 インバウンド抜きでも強い九州の「明るさ」(大前研一)
(2021年12月20日 マネーポストWEB)
新型コロナ禍で青息吐息の地方都市が多いのに、なぜ福岡は元気なのか? その理由の一つは、経済人の明るさだと思う。
また、彼らがよく言うのは、高島宗一郎福岡市長と服部誠太郎福岡県知事の存在である。・・・中央省庁からの“天下り”だった過去の知事たちと異なり、生え抜きの県職員出身だ。2人とも威張らないし、経済界の要望や提案にすぐ対応してくれるから、連携が取りやすくてビジネスがやりやすいということで、経営者たちの間で評判がすこぶる良いのである。
しかも九州は、福岡だけが元気なわけではない。九州新幹線網と高速道路網の整備により、九州としての一体感が醸成されて相乗効果が生まれてきている。
以上すべてを考え合わせると、九州は潜在的な総合力で国内ナンバーワンの地域だと私は思う。・・・道州制=クオリティ国家の延長線上にあるメガリージョンの最適モデルだ、ということである。
※週刊ポスト2021年12月24日号
3.年頭所感
(2022年1月1日 関西経済連合会 会長 松本 正義)
「地方分権・広域行政」については、関西広域の視点に立ち、道州制実現につながる地方分権改革を働きかけるとともに、関西広域連合のさらなる発展に向けた支援を行います。