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1.「九州の道州制移行のためにも、地域政党を」

大阪都構想を掲げる橋下氏が高島宗一郎・福岡市長に“指南”

 

2020年9月25日 ABEMA TIMES

 

 新型コロナウイルスの対応で注目が集まっている地方のリーダーを招いて橋下徹氏と語り合う新企画がスタートした。第1回目のゲストは経済成長著しい福岡市の高島宗一郎市長。意外にも初対面だという2人は919日のAbemaTVNewsBAR橋下』で地方分権や道州制、さらには若手の首長同士のつながりについて話した。

 

 まず、高島市長が「橋下さんに聞きたいことがあった」と、九州に「道州制」を導入することについて切り出した。

 

 「昔は北の福岡から南の鹿児島まで行くのに、車で6時間くらいかかっていたのが、今は九州新幹線で1時間半になった。つまり、県がどんどん小さくなっている。北海道は九州よりも大きいのに一つの自治体。だから“北海道産”として売り出すこともできる。九州も道州制は絶対やったほうがいい。ただ、何をきっかけに始めるかという“トリガー”がない。国会議員は積極的じゃないし、県知事も官僚出身の方が多く改革的という感じじゃない。自分の県を自分で壊そうなんて。誰も言い出さない」。

 

 橋下氏は「関西、そして、それこそ“州”が付く九州は道州制のリーダー役になれると言われてきた。関西の場合、関西広域連合を作った。当初は政令市長との綱引きがあって、知事が主導権を握っている関西広域連合には入らないというルールだったが、僕が大阪市長になって入って以降は、みんな入るようになった。九州も、まずは広域連合を作ればいいと思う」とコメント。

 

 その上で、「実は民主党政権の頃、地方整備局と地方環境事務所と経済産業局の3つの出先機関をまるごと関西広域連合に移管するという法案を2年くらいかけて作り、閣議決定までしたんだけど、政権交代が起きたため、棚ざらしになってしまっている。この法律をきちんと制定してくれれば、関西広域連合が膨らんでいく。それと同じことを、九州で誰かが旗を振ってやればいいと思う。県を潰すわけじゃないし、九州の方が先にできると思っていた」と疑問を呈した。

 

 一方、橋下氏が関西で経験した、知事と政令市長との“綱引き”は、福岡にも存在するという。

 

 橋下氏が「これが面白い関係でね。嫌いだよね?県知事のこと(笑)」と水を向けると、高島市長は「えっ?とんでもない。何てことを言うんですか。めちゃくちゃアレですよ」と焦りながらも、「県知事が政令市長の仲が良いなんて、大阪以外にない。大阪が奇跡」と苦笑。「個人的な話というよりは構造的な問題。それぞれが市民・県民から選ばれている代表だし、やりたいことも違う。市区町村の場合は財源と権限が県にあるから表面化しないが、政令市の場合は権限も財源も持っているから、お互いにやりたいことが実現できちゃう。そこでぶつかることが多いと見られることがある」。

 

 橋下氏が「言ってしまえば、権限もお金も対等だから、折り合いがつかない。福岡の場合、宿泊した人から取る“宿泊税”を県が取るのか、市が取るのかでもめたんだよね」と尋ねると、高島市長は「だって、陸・海・空の玄関口は福岡市博多区にあるし、そのための整備にめっちゃお金をかけてきた。例えばクルーズ船が来るための岸壁整備も、全て福岡市のお金でやった。それなのに、そこから上がってくる宿泊税を県が持っていこうというのは違うよねということ。前回の知事選でも、その点で現職の知事とやりあって、最終的に市が150円、県が50円ということで決着した」と答えた。

 

 橋下氏は「大阪だって、もともとは全国一、仲が悪かった。“府と市を合わせて、ふしあわせ”なんて言われていたくらい。これはもう構造上の問題なんだけど、そこを乗り越えよう一体化したのが大阪都構想。まずは府と市という巨大な役所を再編することで第一歩を踏みだそうと。大阪でのこういう運動と、広域連合については法律もあるわけだから、ぜひ九州でやってもらいたい。高島さんのような人に旗を振ってほしい。ただ、そのためには政党を作って、九州の中で政治力を持たないとなかなか難しいと思う」と指摘。

 「福岡を良くしていくというのが第一で、今は元気だからそのままやってもらいながらも、そろそろ日本を引っ張っていく、リーダーになるときのために政党を考えなきゃいけないと思う。独自に地域でつくるのか。大阪と一緒にやるということだけじゃないと思うんだけど、自民党に対して、改革を進めていく野党が必要になってくると僕は思う。元々は日本をよくしたいという思いがあったのなら、そこはぜひ頑張ってもらいたい」。

 

 高島氏は「リーダーって物事を決める仕事だから、相談する相手は少ないほうがいい。なぜなら仲間がいっぱいできたら、そこに配慮しないといけなくなるから。政党に属してないのもそのためだ。一報で、制度を変えていくためには数がいる。やんなきゃいけないということは分かっているが、今は一人でどんどん切り込んでできることをやっている」と話していた。

ABEMA/『NewsBAR橋下』より)

 

 

 

2.成長戦略・高齢化対策など対立 都構想巡り各党論戦

 

202010月7日 日本経済新聞)

 

大阪市を廃止して4特別区を設置する「大阪都構想」の住民投票が111日に迫るなか、賛成、反対両派の各党議員らが7日、民放番組に出演して論戦を展開した。成長戦略や少子高齢化への対応などを巡り、意見は真っ向から対立した。

 

大阪の成長戦略を巡っては、都構想に反対する自民党の北野妙子大阪市議団幹事長が「大阪市が成長のけん引車だ」と主張。「都構想は財源と権限を府に吸い上げ、地方分権の流れと真逆だ。いずれは道州制を目指すべきで、都構想は寄り道」と批判した。

 

大阪維新の会の松井一郎代表(大阪市長)は「府に権限を一元化する方が、880万人のエリアで成長を実現できる。道州制と言うが具体的なプランは何もない。夢物語だ」と断じた。「大阪市の力を府域全体に広げたい。市の拡張は今の法律では無理で、府に市の権限を移譲するしかない」とも述べた。

 

議論は少子高齢化への対応にも及んだ。賛成派の公明党の肥後洋一朗大阪府議団幹事長は「高齢化に対応していくには改革しかない。二重行政を解消し、特別区が地域のニーズに合ったサービスを提供すべきだ」と主張した。

 

一方、共産党の山中智子大阪市議団長は「大阪市を潰しては少子高齢化に立ち向かうことはできない。都構想では少子高齢化対策に非常に時間がかかる」と反対した。

 

二重行政を巡っては、松井氏が「府と市の対立の弊害で今までいくらお金を無駄遣いしたのか。過去に戻さないことが都構想のメリット」と強調。山中氏は「これまで制度に問題があったのではなく、府も市も政策の選択を誤っていた。(司令塔が)1人になってもそれは変わらない」と反論した。

 

 

 

3.大阪都構想〜賛成派に回らざるを得ない公明党の事情

 

20201019日 ニッポン放送 NEWS ONLINE

 

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1019日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。住民投票が告示され、1018日に初の日曜日を迎えた大阪都構想について解説した。

 

■大阪都構想〜前回は反対側であった公明党が賛成派に

 

大阪市を廃止して4つの特別区に再編する「大阪都構想」の住民投票が告示され、初の日曜日となった1018日、賛成派と反対派が市内で街頭演説を行い、111日の投開票に向け支持を訴えた。日本維新の会の松井市長、吉村府知事、公明党の山口代表は一緒に街頭演説に立って賛成を呼びかけた。

 

飯田)賛成派は行政のコストが下がり、府市一体での都市開発ができるというメリットを挙げています。一方の反対派の方は、将来的に1000億円を超えるコストがプラスでかかるのではないかということや、コロナウイルス禍のいまやることかというような主張をしています。ざっくり整理するとそういうことになりますが、山口代表が同じ選挙カーに松井市長・吉村府知事と乗りましたね。

 

須田)前回の住民投票では、公明党は反対側に回ったのです。公明党が反対に回ったことで、おそらく否決されたのではないかと言われています。その公明党が、今回は賛成派に回ったというところが大きなポイントです。「基本的な設計図がよりよいものになったから」というのが、公明党の主張です。

 

■反対派の主張〜コスト高になる、2000億円大阪府に召し上げられる

 

須田)私も15日に松井市長、吉村府知事にインタビューしましたし、その前には、反対派の知恵袋になっている京都大学教授の藤井聡さんに話を伺いました。ポイントを整理しますと、反対派は、初期費用に比べて、それが回収できるのかどうなのか、「コスト高になる」と主張しています。それと、大阪市が解体されて4つの特別区に分かれると、住民税などの税金が2000億円ほど一旦大阪府に入ることになります。そうすると、本来ならば2000億円大阪市に入るものが府に入るわけですから、その分、住民サービスが低下するのではないかと。要するに「2000億円召し上げられるぞ」ということです。

 

■税金については、「特別会計」にして透明性を確保する

 

須田)ただその点については、松井市長、吉村府知事共に「特別会計」という別扱いにして、透明性を確保した上で、4つの特別区に分配して行くという形にすると説明しています。東京では、そういう制度は採られていません。完全にブラックボックスになっています。反対派サイド、藤井さんの説明によれば、確かにそれは特別会計になっているけれども、その使い道については府市統合した後の府議会が決める。府議会の構成を見ると、旧大阪市の議員よりも、それ以外の方が多く、府議会によっては大阪市以外に使われてしまう可能性があるのではないか、そういう主張をされていました。それについても設計図である協定書の文言に書かれているとあるのですが、私の読む力が浅いせいかも知れませんが、曖昧なのです。

 

飯田)どうとでも取れるようになっている。

 

須田)藤井さんの言っているように、勝手に使うことができるとも取れるし、そうではなく、2000億円については元のように配分されるのだとも取れる。「どうなのかな」というのが素朴な疑問です。

 

■初期費用と税金の問題〜賛成・反対派共に、経済成長させることに関しては一致

 

須田)初期費用と税金の問題ですが、そうは言っても、大阪府と大阪市が統合することによって経済成長をすれば、その部分は十分回収できるのです。藤井さんも、仮に統合しても経済成長については、テコ入れしなくてはならないお立場です。市がそのまま残っても、統合されても、大阪経済の成長に関しては一致しているわけです。その部分については、両者が手を結ぶ側面も出て来るのではないでしょうか。

 

■公明党が日本維新の会を重要視する理由〜国政選挙との関係

 

須田)公明党は「常勝関西」と言われています。特に大阪は、公明党の最大の支援団体である創価学会の発祥の地ということもあり、絶対に負けられない地盤なのです。兵庫についても、赤羽国交相の地元になっていますから、重要視されている。国政選挙と密な関係にあり、日本維新の会を敵に回すことはできないという側面が色濃くあるのだと思います。次の国政選挙では、特に関西では、公明党・日本維新の会は連携を強めて行くでしょう。次の国政選挙とワンセットだと考えてもいいと思います。

 

飯田)公明党にしてみれば、自分のところの小選挙区に維新の候補が立ってしまうと、選挙が厳しくなってしまう。事実上の選挙協力という形で、維新の候補は、公明党の候補が立つ選挙区には立たないというようなことになっている。これは何としても残してもらわないとならない。しかも公明党は比例代表との重複をしないから、小選挙区で落ちてしまうと、本当に落ちてしまう。だからここは何とかしないとならない。

 

須田)先日、誰がという実名は挙げることができませんが、日本維新の会の大幹部の方と偶然、新幹線のなかで会ったのです。「住民投票の勝算はあるのでしょう」と聞いたところ、「いま公明党さんが頑張って住民説明会をしていただいているから……」と。自信満々に見えました。

 

■今回の住民投票で非常に大きい公明党の存在

 

飯田)なるほど。ここの組織がどう動くかということは重要ですものね。山口代表が今回入ったということは大きいですね。山口さんは支持母体の創価学会の婦人部に強いと言われている。そこが選挙のときには実働するということも考えると、この意味は大きいですか?

 

須田)大きいですね。加えて大阪は北側一雄さんの地元ですから。

 

飯田)北側さん、副代表の重鎮です。しかも選挙区は大阪の南の方です。2015年の住民投票のときに取材で入りましたが、「南をどうするか」ということが、特に維新にとっては重要でした。北の方の所得の高い人たちは理解もあり、改革マインドもあるけれど、「南の方をどうして行くかが重要なのです」と聞きました。どうなりますか?

 

須田)いまのところ、予測することは差し控えます。

 

飯田)最後までどうなるかわからない。

 

須田)ただ、これは将来的には道州制にもつながる話です。

 

飯田)政令指定都市は関東にもたくさんあります。特に菅さんの地元では、横浜、川崎、相模原とある。その辺りも官邸としては意識していますか?

 

須田)そうですね。吉村府知事、松井市長に言わせると、東京23区と比べれば、はるかに自由度が高くて権限が強化される特別区ができるということで、東京の特別区にも影響を与えると言っていました。小池知事にとっても他人事ではありません。