最近の注目情報詳細(2015年11月)
1.「おおさか維新」結党 橋下氏が暫定代表 内紛泥沼、支持に不安
(2015年10月31日 産経新聞)
維新の党を離党した橋下徹大阪市長や、執行部から除籍(除名)された大阪系国会議員、地方議員らが31日、新党「おおさか維新の会」の結党大会を大阪市内で開いた。橋下氏が代表に就き「東京、大阪の二極をつくる。本気で統治機構を改革してほしい」とあいさつした。ただ代表は市長任期を終える12月までの暫定措置で、松野頼久代表ら維新の党執行部との内紛も泥沼化しており、支持を得られるか不安を抱えての出発となる。
幹事長には松井一郎大阪府知事が就任。母体の政治団体・大阪維新の会が候補を擁立する知事・市長の大阪ダブル選(11月22日投開票)が新党にとって最初の関門だ。
橋下氏は「安倍政権の地方創生はあくまでも中央集権だ。7から11くらいのブロックに分けて地方創生をしていく」と述べ、道州制を前提とする地方活性化に取り組む考えも示した。
2.知事と静岡市長なお溝 浜松市長交え会談
(2015年11月5日 中日新聞)
静岡県の川勝平太知事と静岡市の田辺信宏市長、浜松市の鈴木康友市長が会談する「県・政令指定都市(G3)サミット」が四日、静岡市駿河区のホテルであった。川勝知事が県と静岡市の二重行政解消のため提唱する県都構想を議題としたが、田辺市長は構想を前提とする協議を拒否する姿勢を表明。知事と田辺市長の溝は埋まらなかった。
一方、鈴木市長は将来は道州制を目指すと述べた上で、政令市が財源を含め県から独立する特別自治市や、県都構想など大都市制度について協議を継続することで知事と一致。田辺市長も特別自治市は提案しており、大都市制度自体を議論することでは合意した。
知事は市を廃止して県都とし、静岡市の葵、駿河、清水の三区に公選区長、区議会を置き、行政権限を強めた特別区にすることが「基礎自治体の力を高める」と指摘した。田辺市長は区長、区議会を設置することによる行政コストの増加額を示すよう要求。知事は現在の三区選出市議が区議となり、各区役所に議会を設置すれば行政コストは増加しないと主張した。
知事はまた、静岡市が特別自治市となり市内六十の県有施設を移管されると、市の施設管理費の負担が二十億円程度増えるため、特別自治市への移行は難しいと訴えた。
3.道州制、熱気冷める九州 シンポが今年度で打ち切り
(2015年11月12日 朝日新聞)
九州各県の知事や経済団体でつくる「九州地域戦略会議」が、2008年度から続けてきた道州制シンポジウムを今年度限りで打ち切ることを決めた。道州制導入に積極的な地と見られてきた九州だが、推進の機運は急速にしぼんでいる。
都道府県を廃止し、全国を10程度に分けて権限を持たせる道州制。地元政財界のトップが顔をそろえ、政府に施策を働きかけていく九州地域戦略会議の大きな柱の一つだった。08年度からは年1、2回ペースで、計11回のシンポジウムを九州各地で開いてきた。
しかし、いまの情勢では政府レベルで大きな動きが出る可能性は低いと判断。来年2月か3月に長崎県で開くシンポを最後に、来年度以降は開催を中止することを決めた。
4.与党は幹部や閣僚続々投入 維新は橋下氏フル回転
(2015年11月15日 産経新聞)
府知事・市長の大阪ダブル選での勝利を目指す自民党は、党幹部や閣僚が相次いで大阪入りしている。4年前のダブル選は推薦を見送り、今年5月の大阪都構想の是非を問う住民投票でも応援をほとんど出さなかったが、「5月の住民投票で勝負はついた。ダブル選で終止符を打とう」(谷垣禎一幹事長)と総力戦の構えだ。
谷垣氏は14日に大阪市内で行った街頭演説で大阪維新の会との対決を強調した。この日は石破茂地方創生担当相も豊中市などで応援演説。15日は馳浩文部科学相が応援に入った。党四役はすでに大阪入りしているが、16日も二階俊博総務会長と茂木敏充選対委員長が再び入る予定で、自民党推薦候補の陣営は「これ以上ない追い風だ」と勢いづく。
自民党推薦候補を自主支援する共産党も、党機関紙「赤旗」で大々的に取り上げ、さながら公認候補のような支援体制を敷く。
自主投票の公明党では、大阪選出の国会議員は静観の構えだが、大阪市議らが市長選で自民党推薦候補への支持を個別に呼びかけている。公明党幹部は市長選では「公明票の多くが自民党推薦候補に入る」と分析。党内には自共連携に嫌悪感を示す向きもあるが、大阪維新に流れる票は「限られる」(幹部)と見る。
大物を続々と投入する自民党に対し、公認候補を擁立した大阪維新は、代表の橋下徹大阪市長自らが街頭に積極的に出てフル回転。15日も大阪市内の街頭演説で「改革を前に進めさせてほしい。月とスッポンの自民党と共産党がなんで組めるのか」と訴えた。
12月の市長任期満了での政界引退を表明している橋下氏だが、ダブル選の結果は、今月結成した新党「おおさか維新の会」の消長に直結するだけに、連日声をからす熱の入れようだ。新党からは大阪選出の国会議員だけでなく、下地幹郎元郵政改革相らも応援に入っている。
5.大阪ダブル選:市長選 吉村氏リード 知事選は松井氏優位
(2015年11月16日 毎日新聞)
22日に投開票される大阪府知事・大阪市長のダブル選について、毎日新聞は14、15の両日、府内の有権者を対象に電話による世論調査を実施し、取材結果も踏まえて中盤情勢を探った。市長選では、地域政党「大阪維新の会」が公認する前衆院議員の吉村洋文(ひろふみ)氏(40)がリード。自民党が推薦する前大阪市議の柳本顕(あきら)氏(41)が追う展開となっている。知事選では大阪維新公認で現職の松井一郎氏(51)が、自民推薦で前府議の栗原貴子氏(53)らに対して優位に立っている。ただ、両選挙とも3割の人が態度を決めておらず、終盤に情勢が変わる可能性もある。
態度を明らかにしている人を分析すると、新人4人が争う市長選では吉村氏が国政政党「おおさか維新の会」の支持層をほぼ固めた。
自民支持層にも食い込むなど、20〜60代まで性別にかかわりなく支持を広げている。大阪維新の看板政策である「大阪都構想」に賛成する人の大半が投票先に吉村氏を選んだ。
柳本氏は、推薦や支援を受けている自民、民主支持層を固め切れていない。自主投票の公明支持層は6割程度まとめた。5月の大阪市住民投票で反対票を投じた人は、多くが柳本氏に投票したいとしている。
現職と新人2人が立候補した知事選では、松井氏がおおさか維新支持層の大半を固め、自民や公明支持層も取り込んでいる。全ての年代で満遍なく支持を集め、特に男性の支持が高い。一方、栗原氏は自民支持層への浸透が4割程度にとどまっている。 【小林慎】
6.税収再配分の撤廃を 都税調が答申
(2015年11月16日 日本経済新聞)
東京都税制調査会(会長・池上岳彦立教大学教授)は16日、大都市圏の税収を国が地方に再配分する措置を巡って「速やかに撤廃し、地方税として復元すべきだ」との答申をまとめた。税源の偏在是正には、急速な高齢化による社会保障費の増加など東京の膨大な財政需要を考慮に入れるように求めている。舛添要一知事は答申を受け、地方税の再配分を拡大しようとする国の動きを「小手先の是正措置ではいずれ破綻する」と批判。道州制を念頭に「国のかたちについて国民で議論しないといけない時期に来ている」と指摘した。