最近の注目情報詳細(2015年5月)
1.橋下代表会見の要旨…「逆にたたきつぶされた」
(2015年5月18日 読売新聞)
大阪維新の会の橋下徹代表(大阪市長)の記者会見の要旨は次の通り。
【冒頭発言】
大阪市の皆さん、本当に重要な意思表示をしていただき、ありがとうございます。大変重く受け止めます。僕が提案した都構想が受け入れられなかったということで、間違ったということになるんでしょうね。本当によく考え、重い判断をされたと思う。日本の民主主義が相当レベルアップしたと思う。大阪市民の皆さんが、おそらく全国で一番政治や行政に精通した市民ではないかと思う。これだけ多くの税金を投入して都構想を進めてきた。納税者に失礼な言い方かもしれないが、本当に政治家冥利に尽きる活動をさせていただき、ありがたく思っている。
【一問一答】
―負けた原因は
これは僕自身に対する批判もあるでしょうし、やはり都構想についてしっかり説明しきれていなかった僕自身の力不足だと思う。
―任期満了まで続けるか
市長の任期満了まではやりますが、それ以上は政治家はやりません。
―政治の世界に一切関わらないのか
弁護士をやりますから。維新の党の法律顧問として雇ってもらえないかと、さっき江田代表に言いましたが、明確な返答をいただいておりません。
―任期満了までの半年間は何をやるのか
まずは自民、民主、公明、共産党の皆さんに、こういう結果が出たので話し合いをさせてくださいとお願いしたいと思う。いろんな課題があり、任期満了までに進めるものは進めていきたい。
―結果と裏腹に、笑顔に見えるが、気持ちは
(政治家になって)7年半、自分なりにやれることはやってきたつもり。38歳からやってきて無理してきたところもある。悔いはない。思う存分やらせていただいた。
―改めて進退について聞く。賛成した約70万人が、政治家をやってほしいと思い、票を投じたのでは。
気持ちの変化は
ない。負けは負け。公務員と違うところです。街頭演説では戦をしかけてきた。たたきつぶすと言って(逆に)たたきつぶされたわけですから。
―そうは言われても、過去には覆した
また(大阪府知事選の出馬を巡って否定した時のように)2万%(ない)と言わせたいのですか。政治家は僕の人生から終了です。
―まだ任期があるので、状況が変わるかも。もう一度政治家になることは
僕はワンポイントリリーフで、実務家。政治家っていうのは、嫌われては駄目。好かれる人がしないといけない。敵を作る政治家はワンポイントリリーフで、要らなくなれば交代。求められた時に求められ、要らなくなったら使い捨てにされる。これは、一番健全な民主主義だと思います。
―都構想の再チャレンジはないか
どれくらい先かわからないが、道州制とか、国全体の統治機構改革をやるときに、都構想の設計図が頼りになると思う。日本全国の中で統治機構改革を本気でやった地域は大阪だけで、その資料は大阪の物しかない。いつか、誰か政治家が、日本の危機的な状況の中で、都構想の設計図を頼りにしてくれたらうれしい。
―大阪が変わるチャンスは失われたか
これを受けて少しでも前に進むことがあれば、好影響が出る。特に自民党は代案を出していた。それを進めてもらわないといけないし、進めてもらえると思う。
―大阪維新の会の松井一郎幹事長(大阪府知事)への思いは
松井知事がいなかったら無理だった。7年半、僕は(党内の人間関係などに)わずらわされることなく市民に訴えることができた。政治は人間力、包容力、人間関係(が大切)。それは松井知事がやってくれていた。僕は実務家ですから、人間関係を築くのは下手だった。
2.「道州制のリーダー失った」 村井・宮城知事
(2015年5月19日 産経新聞)
宮城県の村井嘉浩知事は18日の記者会見で、「大阪都構想」の賛否を問う住民投票否決を受け、橋下徹大阪市長が政界引退を表明したことに対し「道州制に向けて歩みを進めているリーダーを失った。道州制への影響は間違いなく出る」と話した。村井知事と橋下市長は「道州制推進知事・指定都市市長連合」の共同代表を務めている。
村井知事は「大阪都が軌道に乗ることがあれば、道州制に弾みがつくことは十分あると思っていた」と強調。橋下市長の政治姿勢について「賛否が分かれているが、一つの大きな哲学、理念を持ってやってきたことは高く評価していい。見習うべき点は多々ある」と引退表明を惜しんだ。
3.<大阪都否決>地方制度改革の停滞を懸念
(2015年5月19日 河北新報)
「大阪都構想」が否決された大阪市の住民投票と橋下徹市長の政界引退表明から一夜明けた18日、定例記者会見に臨んだ東北の各知事は橋下氏の業績に一定の評価を与え、道州制など地方制度改革の停滞を懸念した。
「賛成がかなりの割合を占め、このままではだめだという住民の思いが強いことも明らかになった」。達増拓也岩手県知事は「大阪は民の力を感じる街。各界のリーダーや住民が力を合わせ、いい方に変わるよう頑張ってほしい」と今後に期待した。
橋下氏は維新の党の最高顧問を務める。佐竹敬久秋田県知事は「二重行政をどう解消するかという議論よりも、維新対その他の政党という政治対決に目を奪われがちになった」と分析。「政治家の宿命として、強烈な人気者ほど早く(表舞台を)去らざるを得ない」とも語った。
「大阪都構想が軌道に乗れば、道州制議論に弾みがつく可能性もあった」と惜しんだのは村井嘉浩宮城県知事。17日夜は、開票速報を伝えるテレビにかじりつきになったという。
橋下氏とは、道州制推進知事・指定都市市長連合の共同代表を務める仲。「1人のリーダーを失い、道州制に影響するのは間違いない」と橋下氏の決断を重く受け止めた。
4.松野新代表の会見要旨
(2015年5月19日 時事通信)
維新の党の松野頼久新代表が19日行った記者会見の要旨は次の通り。
−民主党との共闘や野党再編に関する考えは。
まずはわが党が新体制の中でしっかり有権者に根付くことが大事だ。必ず国民から強い野党が必要だという声が上がってくる時期があると思うので、そのときにはしっかり結集できるように準備したい。
−憲法改正を軸とした安倍政権との連携は。
国民のいろいろな疑問点を国会の中で追及するのも野党の仕事だ。野党勢力を結集し、政権交代を目指すことを今年の党大会で決議している。ただ、憲法に関しては政局を排し、胸襟を開いて話し合う用意があると常々申し上げてきた。そのスタンスを変えるつもりはない。
−橋下徹最高顧問(大阪市長)の引退表明で難しい状況にあるが。
橋下氏という偉大な政治家の引退表明は党にとって大変厳しいが、政党は執行部、代表が代わりながら進化していくものだ。橋下氏の思いを発展させるべく努力したい。道州制、一院制、首相公選制など統治機構改革の旗を下げるつもりはない。
−安全保障関連法案に対するスタンスは。
政府から丁寧に審議しようというものが伝わってこない。充実した審議を求めていきたい。